大阪府立高津高校28期

　　　先生からのメッセ－ジ

不動明王願望

八十歳を過ぎて来ると、お元気そうですねなどと言われると、お蔭さんでと、口には言っても、そうそう日々心身壮快という訳にもいかない。身体中に何か重苦しいものが漂っている。どこかしんどい。ただ、深夜の０時を過ぎると、突然、うっとおしい空気が飛び去って、壮快になることがある。

　その時というのは、突然胎内のうっ積されていたガスが次々に放出されていくのである。三十発から五十発、それ以上のこともある。そして急速に心身壮快となる。

　悪臭に悩まされないかという。しかし、人間は自分の創出した臭いは不快ではないし、すぐに慣れる。老妻がいるが、彼女は二階にいて、ぼくとは別の深夜テレビを観ている。

　昔、佐藤弘人さんという人がいて、「かっぱ随筆」という本を書き、それがベストセラーになった。中に「屁が燃える」という話があって、話題になったが、みんな本当だろうかというだけで消えてしまった。それを最近、テレビが取り上げた。実験すると、本当に燃えた。大好評で続編し続々編も放映された。衣を着た若い層が現れて、「坊さんが屁をこいた」と言った。

　Ｇパンの粗い織り目から漏れるガスが美しい緑色の低い炎をあげて燃え上がった。美しかった。ぼくもやってみたいと思った。

　しかし、自分でやるだけの元気も積極性もない。だから空想だけした。テレビに出て来たのは、一発か二発のガスだろう。ぼくみたいに三十発や五十発、それ以上を連続して出せばどうなるだろう。それは大きな火炎となって燃え上がるのではないだろうか。

　仏教美術に、不動明王の像がある、高野山の赤不動、青不動、三井寺の黄不動は国宝の中でも名高い。ぼくが炎を上げたら、不動明王になれないだどうか。

　しかし、こんなにガスを出しては、京都議定書に反するかも知れない。

2009/02

Ｋ．清水　先生　　

45年ぶりの星祭り

七夕の笹飾りの下で書いています。

　六月二日、「高津高校の方が来ておられる。」娘（高津時代に生まれた次女）に知らされて出てみると、ご夫妻らしいお二人が、にこやかに会釈してくださって、「上田です。」・・・。「コウヅのウエダさん？・・・」　次の瞬間、グランドを見る間に駆けぬけていく、しなやかな少年が浮かび、しかし目の前の豊かな中年男性と像が重ならず・・・。「あの上田さん？走るの速かった上田さんなの？・・・」と、ちぐはぐなご挨拶をしたのでした。

お話をするうちに、目の前の上田氏に、カモシカのような少年が二重写しになり、やがて「高津の上田君」に像が定まってゆくなつかしさ。七十七歳の劇的なタイムスリップの一刻でした。

思い出して下さってありがとうございました。

担任したのは二十九期でしたが、〝私のコウヅ〟は期の区別のない、一括りの特別大きな時代です。

　長女が三歳でした。保育所も、まして夜間保育など望めない六十年代。保育園に迎えに行って、主人の母に預けて出勤する、すれ違いの毎日でした。やっと母親が迎えに来たと思ったら、それが再度の別れ。長女は毎日々々泣き続けました。縁側の柱にすがって泣く声が、バス停まで聞こえて・・・。

　当時私は、娘の泣き声がひびく夕焼けの色がきらいでした。

　泣きながら出勤したのに、校門をくぐると楽しかった。危ふい緊張に歯をくいしばっている私と同じものを踏みしめている若者達。仲間でした。尊敬の視線であなた方を見ることを〝教師〟の土台に据える事を知った幸せ。

　以来、「生徒を尊敬している教師」これこそ最高の教師冥利だと思っています。

　曲りなりにも、少しづつ「教師になる」　足がかりと、幸せをとらえる契機を与えてくださった

〝高津〟七夕の再会ありがとうのみなさん。..

2008/07

Ｙ．松　野　　先生

岐阜の杉山（高津旧職員）です。 　

　Ｈ．上田様へ。

　にっぱち会通信とホームページを拝見しました。

　４月１５日の二十八期同窓会にはご招待を受けておりましたが、こちらの都合で
出席せずまことに申し訳なく、また残念でありました。
　ご盛会で十分盛り上がった由、よかったですね。

　あの頃の同僚、笠松、華学、重山、川辺、黒坂、穴迫、高松、等の諸氏がつぎつぎと
亡くなり、さびしくなりました。
　私は９月には満８０歳になります。いまのところ、まあボチボチとやっております
のでご休心ください。

　Ｍ．中山氏夫妻はじめ幹事のみなさんによろしくお伝えください

Ｋ．杉山　先生　　

捕手と同窓会人間

もとジャイアンツの山倉和博がスポーツ誌にかつて書いていた。捕手という守備位置は
自分から好きでなる奴はまずない。大抵は先輩から監督から押しつけられ、煽てられて、
気の弱い奴が仕方なしに成るのだ。しんどい。危ない。恐い。
　ぼくの孫は地域の少年野球チームに入っている。一昨年、六年生の捕手が中学生にな
って羆めた。代わりの六年生の子が捕手に指名された。お母さんが出てきて「うちの子に
そんな危ないことさせられません」といった。うちの孫に順番が回ってきた。まだ三年生で
ものにならない。
　孫の母親はつまりぼくの娘で、父親に似てよう断らない。三年生の捕手が出現した。
　昨年の試合は全敗だったそうである。
　捕手の弱いチームは強くなれない、しかし今年の第一戦は勝ったという。
　同窓会係は捕手に似ているように思う。地味でしんどい。しかしサボっていると、お互い
に繋りも疎遠になり、途絶え、彼は彼女はどうしているのか。懐かしいが解らないというこ
とになってしまう。
　　Ｔ．泉さん。Ｍ．中山くん。その他の皆さん。宜しくお願いします。

2006/06/01

ホームランが飛んできた。

　６０歳をすぎた人は、大阪スタジアムを記憶しているだろう。ナンバ球場とも言った。
今は植物郡を載くビルと化した。

　南海電車が終点に近づくと、速度を緩め、１分間ばかり停止する。スコアポードが見え、
戦況が解る。南海ホークスと西鉄ライオンズがパ・リーグの覇権を競っていた。鶴岡監督
の下の杉村　野村　大沢らと三原監督の下の稲尾　中西　豊田。ぼくは暇が出来ると観に
言った。ぼくはいつも外野席い行った。内野席は料金が高い上に、傾斜が急で、高所恐怖
症のぼくには下に向かって席を降りるのが恐かったこともある。

　ある時ぼくは左翼手のまうしろあたりに腰を下ろした。阪神南海のオープン戦だった。阪
神と南海とはリーグが違うから、開幕戦のオープン戦で、春休に行ったことになる。

　南海の２塁手岡本伊三美が打った、球はフライになって、ぼくの左の方、左中間へ飛んで
きた。センターが捕まるのかなと思った。ところが球はぐんぐん伸びて来た。同時にぼくの
方向、つまりレフトに向かってきた。あれは大きいぞ。ぼくの方向に飛んでくる。あっ、ぼくに
命中する。どうしよう。ということは、ぼくの所へ来るということはホームランだ。と思った瞬間
、球ぼくに命中しそうだ。まさにぼくの前に飛んできた。しかしぼくの一段下だつた。一段下
に坐っていたおっさんが両手の掌を揃えて捕球した。ホームランでもスピードを失っておっ
さんの手に容易に収まってしまった。三〇センチの違いで岡本伊三美のホームランは、ぼ
くの前のおっさんのものになってしまった。おっさんは無表情にボールをジャンパーのポケ
ットにいれてしまった。もっとも無表情かどうか、おっさんはグランドの方を向いているので
解らない。おっさんは後で岡本のところへ行ってサインしてもらうだろう。世の中そんなに甘
くない。

　野球の好きな老人は幸せだと言う。

200７/0５/２1

Ｋ．清水　先生　　

神戸は晴れていた。ありがとう。

2006年11月28日AM9：00にＪＲ大阪中央改札前で待ち合わせた。
28会（高津・定28期生の会）の神戸日帰り旅行の集合である。
総勢18人が集まった。中に同期生同士のカップルが3組もあった。

案内とリーダーは神戸に詳しい青木（旧姓泉さん）さんで、まず三宮駅まで
のキップが配られ快速電車で三宮まで乗った。三ノ宮駅で降りると、早速、
本日の昼食を予定しているレストラン「カルディア」オーナーシェフの26
期生柳沢氏の出迎えをうけ、三宮駅周辺の案内をしてもらちた。これから柳
沢氏と共に北野異人館あたりまで散策し、途中うまいソフトクリームに舌ず
つみを打った。そこで柳沢氏とは別れた。氏はシェフ業に戻ってわれわれの
昼食の準備をしてくれる予定であった。

次に、われわれ一行は布引ハーブ園へと神戸夢風船（新神戸ロープウェー）
に乗って布引ハーブ園駅に行き展望レストハウスで一息を入れ、神戸の海を
満喫した。徒歩で途中の風の丘駅まで降りて日本のハーブ園を観て周りハー
ブの香りと知識を仕入れた。ここでひと時のティータイムをとり、昼食の時
間を気にしながらロープウェイとバスに乗り継ぎレストラン「カルディア」
へと急いだ。26期生柳沢氏がシェフを勤めるレストランでご家族で経営さ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
れているとのことであった。飲み物は柳沢氏のおごりで食卓は大いに盛り上
がった。柳沢氏の腕に撚りをかけて調理した皿また皿の料理に舌ずつみをう
つて瓜元町駅へと帰ってきた0カルディアのシェフ柳沢氏とはあまり口をき
く機会はなかったが、ひげを取った顔は童顔で昔を思い出した。おとなしい
ボンボンであったことを思い出していた。

元町あたりで一行と別れ私は一人でJR駅まで歩き、みんなおっさん・おば
はんになったなァともの思いにふけりながら帰ってきた一日であった。思え
ば東京オリンピックの時上田・中山両君は聖火ランナーとして走っていたな
アと想い、かれらのお誘いにありがとうと感謝した。みんなまだまだがんば
りや。
　　　　　　　　　　　　　　2006年11月28日　　

Ｔ・　小　谷　先生

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